文献に見る各社


(御座学教室より)このページでは、文献で見られる各社を列挙しました。現在どの場所にどのように存在し手いるかはすべてが特定されてはいません。時代が変わり、なくなったか、名を変えてあるのかもしれません。違った名前でも同じ社である場合も考えられます。後人の精査を待つばかりである。

 
@『志陽略志』(1713)神社門の条より゛
 同社(八皇子社のこと)御座村に在り。亦山王権現白髭大明神山祇神恵比須社等在り。

A『三國地誌』(1760)神祠の條より
 ○八王子祠○山王祠○白髭祠○山祇祠並びに御座村。

B『御座村旧記』(発行年不詳)より
 八皇子社。又、山王権現、白髭明神、弁財天、浅間社山祗神恵比須

C『英虞郡御座村地誌』(1887−明治20)「社」より
 日吉神社(神社の格式は村社で、東西 南北 面積 本村元標より の方角にあり、字マサキにある。この神社の由来等は、元禄の頃本村は大火事にあい、保存する古書類の全部を焼失してしまった。古老の言い伝えによれば、本村創立の時より今の地に一祠を建て、奉祀した。境内には、老樹の楠がある。囲りは一丈五尺、長さは十二間、だいたい五百年余の歳月を過ごした木と思われる。その他、特記することはない。氏子は、百五十七戸、祭日は毎年旧十一月の「申の日」である。但し、その月に「申の日」が三度あれば中の「申の日」を祭日とした。また、二度の時は、後の「申の日」を祭日とした習慣が昔から残っている。)
 天真名井神社(社地は東西 南北 面積 本村元標より の方角、字宮前にある。祭る神は、田心姫命 湍津姫命 市杵島姫命の三神である。この神社の由来は、日吉神社と同じようである。ただ社地は、古風であるが特記すべきことはない。祭日については、毎年書いておくことがある。)

D『御座郷土誌』(1924−大正13)より
 祭神
  国常立尊 五男三女神 素佐之男尊 大物主尊  大香具土尊   
  大山祀尊 品院別尊  八重事代主尊  山神五郎殿神  
  三宮司社 又は御旅守神社(祭神不詳)   
 由緒
  国常立尊は字マサキ四百十八番地の一鎮座、元山王権と称して、明治二年 九月、日吉社と改称し崇敬し来りしも、其創立年月日不詳なり。
  元禄年間火災に罹り古文書宝物等焼失すと古老の口碑に伝へ来れり。
  明治六年、村社に定められ、明治四十年十月十五日、境内社五男三女神、  三宮司社又は御名旅守神、社字神上に鎮座の大物主尊、字クニシ鎮座の火 乃香具土尊、字つば井戸に鎮座の大山祇尊、字逢神に鎮座の品陀仏別乃尊、 境外社八重事代主尊、字地蔵鎮座の山神五朗殿神社の無格社九社を合祀し、  同四十年十月二十三日、御座神社と単称し同日合祀祭を執行せり。
  例祭は毎年十二月二十六日執行す。明治三十九年十二月二十五日、三重県 告示三八〇号を以て神饌弊帛供進社に指定さる。境内百五十四坪(官有地)、 氏子二百十三戸。
  尚、老樟あり。周り一丈五尺、五百年余の星霜を経たるものなりと云ふ。

(以下の文は後日、後人によって追加されたもの)
 本社は村の西北の高地に在りて老樹枝を交へて、実に幽邃の神域なり。中、樟樹周囲二間余、高さ十間以上のもの数本ありて、樹齢何れも五百年以上を経たるものにして、近郷中唯一の森厳を保つ。
 祭神は国常立尊、大山祇、須佐之男尊等の九柱にして、明治六年、村社に定められ、毎年十二月二十五日、例祭執行せらる。
 神仕の人毎朝必ず正五時に太鼓を打ちて神を祭り時を報じ境内をよく清掃し眞に村人崇敬の中心をなす。
 旅守神は旅人の道中を安泰ならしむるとて本社には村人は勿論遠近の人々の参拝するもの多し。

E『志摩町史』(195*−昭和)「御座神社」より
(一)祭神 
国常立尊 山王権現 マサキ(日吉社)
五男三女神     境内社      素佐之男尊     境内社
三宮司社 旅守神社 境内社      大物主尊      神上(コウカミ)
火乃香具土尊    クニシ      大山祀尊      ツバイド
品院(陀?)別之尊 逢神(アイガミ)   八重事代主尊    境内社
山神五郎殿神    地蔵    
(二)沿革
草創年代不詳
明治三十九年十二月三重県告示第三○八号を以って神饌幣供進社に指定される。
                             (一九○六年)
明治四十年十一月村内各社を合祀して御座神社と単称した。(一九○七年)
昭和二十一年  勅令第七一号によって社格廃止、宗教法人となる。(一九四六年)
(三)建造物
本殿 五・九坪 木造神明造り    拝殿 一九・二坪
社務所 一四・一坪         鳥居三基  石造り一基 木製二基
(四)大祭
十二月二十六日
(五)社宝 
○諸口壺(もろくちのつぼ)
高さ一八センチ。明治三十九(一九○六)年神社地拡張の際出土したもの。須恵器(すえのうつわ)で、主口と副口二つをもつ完全形。灰白色で硬質。この他に弥生式土器片。
○三宮司(旅守神社)の棟札
天文六年(一五三七年)のもの。
○樟(くす)の大木
周囲四メートル。高さ二○メートル余。
樹齢五○○年余という。

F『全国地名辞典』(三重県版−御座より)
社宮司社、天真名井社、津島神社の三つを合祀して「御座神社」となると記載

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